和田組の現場を誰よりも
知る百戦錬磨のレジェンド。
毎日行き来する町の風景に、自ら手がけた建物が溶け込むように点在している。十九、二十歳の頃の自分には想像もできなかった未来が、30年後の日常になっている。なんとも不思議な気持ちです。そのどれ一つとして容易に片付いた現場はなく、建物の大小にかかわらず、問題は常に山積みでした。それでも、どこかで面白がっている自分もいて。専門工事の人たちの知恵と手を借りながら、ひとつの現場を築き上げる達成感は他にたとえようもない、噛みしめるような喜びです。たまに昔の仲間と逢っても苦労話ばかりで、酒の肴もずいぶん増えましたが(笑)。


中途採用は、新しい職場でゼロからのスタートではありません。それまでの人生経験は、何かしら必ず役に立ちます。むしろ、そういう外からの風が、会社にとってはとても大事。閉鎖的なイメージが強い建設業界で和田組が変われたのは、壁を取り払い、他社や他業種から転職して入ってくる人の声に真摯に耳を傾けたからです。
和田組にも昔かたぎの時代がありました。建設業界の現場の仕切りはどこも肌感覚の口伝え。古い体質も残っていました。でも今はもう、違う。体育会系で物事が進む時代ではないと、私自身も痛感しています。人の命を預かる仕事だからこそ、上下男女の隔てなく、どんな些細なことでもとことん話し合い、考え出した最善策を仕組みや組織で明文化していく。和田組は変化、進化のまっただ中です。

若手たちからも、みんなで会社を作るんだという気概を感じます。そして、そういう彼らを、ベテランたちも「やれるだけやってみろ」、「失敗しても何とかするから」と、どんと構えて見守っています。苦しい時はどの時代にもある。でも、いろんな山場を経験しながら1つのことを長く続ければ、だいたいの事は乗り越えられます。最初のうちの「つらい、苦しい」も「面白い」が勝るようになったら、ひよっこでも、未経験者でも、ぐんぐん成長するものです。
会社も生き物です。苦い経験からも学び、豆粒1つ分のできることを積み重ねて、風土を育んでいく。絶対にくじけないポジティブさも、和田組の魅力です。高みを目指してみんなががんばっている。爽やかな、良い風が吹いています。人が好きなんですよ、和田組は。
